脊柱管狭窄症とは?50代からのしびれや痛みに要注意

脊柱管狭窄症とは?50代からのしびれや痛みに要注意

①あなたは50歳以上である
②ときどき足にしびれを感じる

どちらも当てはまる方は、脊柱管狭窄症の予備軍かもしれません。

脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)!?

難しい名前の疾患なのでご存知ないか方も多いですが、70歳以上の方の約半数は脊柱管狭窄症を発症しているというデータもある身近な疾患です。

なぜこんなに多くの方が発症しているのに、若年層の認知度が低いのでしょうか。

理由は、脊柱管狭窄症の原因は加齢によるもので50歳以上の中高年に多い疾患だからです。

日本が超高齢化社会になり、脊柱管狭窄症の対象年齢の人口比率が増加するとともに、30年前に比べると発症者数が約5倍になったとの調査結果が出ています。

70歳以上は、1/2の高確率で発症する脊柱管狭窄症。

主な症状はしびれや痛みですが、重度の場合は歩行も困難になる場合があります…。

「70歳過ぎたら脊柱管狭窄症のリスクがあるの?」

と不安になってしまうかもしれませんが、日常生活の過ごし方次第で脊柱管狭窄症の発症リスクを回避する、もしくは未然に防ぐことができるかもしれません。

脊柱管狭窄症についてや、予防法をこの記事ではお伝えします。

 

 

脊柱管狭窄症とは?

脊柱管狭窄症は、誰もが将来なる可能性があります。

けれど、当事者以外の認知度は低く、症状が悪化してから診断をうけて初めて知る方も珍しくありません。

脊柱管狭窄症とはどの様な疾患なのでしょうか。原因や症状を詳しくみてみましょう。

主な症状はしびれや痛み

脊柱管狭窄症は、脊柱(背骨)の内部にある神経が通るトンネル(脊柱管)が狭くなることで、神経が圧迫され、しびれや痛みが生じる疾患です。症状は以下のようなものが一般的です。

また、脊柱管狭窄症の初期段階では症状が変わることもあります。
日によってしびれがある場合としびれがない場合があり、一時的な症状と軽んじられてしまうケースも少なくありません。早期の予防につなげるためにも、脊柱管狭窄症について知っておくことが大切です。

主な原因は加齢によるもの

脊柱管狭窄症の主な原因は加齢に伴う骨や軟骨の変化です。

具体的には、次のような要因が挙げられます。

これらの症状は単に加齢だけでなく、姿勢や生活習慣など長年の習慣が蓄積された結果ともいえるでしょう。

体の使い方や姿勢など、誰しも長年のクセがあるもの。

なので、脊柱管狭窄症は70歳以上で約半数の方が発症していると言われており、50歳以上の方なら誰でも発症リスクがあるのです。

また、発症すると完治が難しく手術しなけらばいけないと思われる方も多いでしょう。

ですが、多くの場合は手術の必要はなく、適切なケアや予防策で痛みの少ない生活を送ることができます。

脊柱管狭窄症と混同されやすい疾患

腰痛といえば椎間板ヘルニアを想像する方も多いのではないでしょうか?

また、閉塞性動脈硬化も脊柱管狭窄症と混同されやすい疾患です。

脊柱管狭窄症と2つの疾患との違いを比べてみます。

椎間板ヘルニアとの違い

 

わかりやすい違いは発症年齢です。

脊柱管狭窄症は、長い時間をかけて慢性的に神経が圧迫されるので50歳以上の方が発症しやすいです。

一方、椎間板ヘルニアは椎間板が突出し神経を圧迫する急性の症状が特徴です。
主にスポーツなどで強い衝撃を受けたときや、重いものを日常的に持つなど腰の駆使でおこり全年代の方が発症する可能性があります。

閉塞性動脈硬化との違い

閉塞性動脈硬化は、主に血流不足が原因で足に痛みやしびれが生る疾患です。

足の痛みやしびれの症状が、脊柱管狭窄症と似ているので混同されやすいです。

脊柱管狭窄症は歩行時に痛みやしびれが出た場合、姿勢を変えたり休憩をとると再び歩けるようになります。

閉塞性動脈硬化の場合は、姿勢を変えたり休んでもしびれが軽減することはありません。

脊柱管狭窄症の種類

脊柱管狭窄症は圧迫されている神経の種類で、タイプを分類することが一般的です。

タイプ1:神経根が圧迫された状態

脊柱管の両側で神経が圧迫されることで、片側または両側の腰から脚にかけて痛みやしびれが出やすくなります。
同じ方に痛みやしびれを感じる場合もあれば、反対側に症状が出たり、日によって違う場合もあります。

タイプ2:馬尾神経が圧迫された状態

馬尾神経(脊髄の1番下の部分から下へ向かって伸びている神経の束のこと)が圧迫されることで、とくにお尻まわりのしびれを感じやすくなります。排泄がしにくかったり我慢できなくなるといった障害が現れることもあります。

タイプ3:混合型の状態

神経根と馬尾神経の両方が圧迫され、複数の症状が同時に現れます。

脊柱管狭窄症の治療法

脊柱管狭窄症の治療には、以下の様な保存療法が一般的です。

神経の圧迫が強く、進行性のマヒがある場合など手術療法を選択する場合があります。

脊柱管狭窄症の初期症状~50歳から予備軍に〜

中高年がかかる脊柱管狭窄症ですが、急に発症するわけではなく初期症状が現れます。
以下の項目を確認してみましょう。

チェックリスト

  • 足が重くて、だるさを感じる
  • 長い時間立っていると足がしびれる
  • 少しの段差でつまづくようになった
  • 椅子から立ち上がると足が痛くなる
  • ガムを踏んだように、足裏がねばつく感じがする
  • 正座をしていないのに、正座をしたあとの様なしびれを感じる
  • 靴をはくと、小石が入っている感覚がする

上記の項目に当てはまる場合は、脊柱管狭窄症になるリスクが高い、もしくは初期段階かもしれません。

誰もが脊柱管狭窄症のリスクを抱えている

脊柱管狭窄症は、50歳以上の方が発症しやすく70歳以上では2人に1人が発症していると言われます。
加齢による神経や骨などの変化や骨化(こっか)、肥厚(ひこう)などがあり、これらは長い時間をかけて負担をかけていた部分が影響を受けやすくなっています。

つまり、習慣化された姿勢や体の歪み、体の動かし方が原因となっているのです。

特に以下のような生活習慣がある方はリスクが増します。

  • 長時間の座り仕事や姿勢不良
  • 運動不足
  • 過体重や肥満

ドキッとする方が多いのではないでしょうか?
加齢に伴い猫背になり、運動量も減りやすく、おまけに脂肪もつきやすくなりますよね。

年齢を重ねていく上で、脊柱管狭窄症のリスクは自然と上がってしまうのです。
リスクを回避するには、意識的に姿勢を正したり、ストレッチを行うなど、筋肉や神経の環境を良くする対策が必要です。

脊柱管狭窄症の予防法

尿もれ予防4選

加齢による変化が大きな要因の脊柱管狭窄症ですが、予防策はあります。
特別なことではなく、普段から生活に取り入れやすい簡単なことです。

  • 適度な運動(ウォーキングやストレッチ)
  • 腰に負担のかかる姿勢をとらない
  • 太り過ぎない
  • 体を冷やさず血行をよくする
  • 利き手・足以外を意識して使う

ウォーキングやストレッチなどの適度な運動

ウォーキングやストレッチなどの適度な運動は、筋力を維持し、腰や下肢の血流を促進するために重要です。

特に、背筋や腹筋を鍛える運動は、脊柱を安定させ、神経への負担を軽減します。

また、ストレッチを取り入れることで、筋肉の柔軟性を高め、姿勢を改善する効果があります。

腰に負担のかかる姿勢をとらない

猫背や反り腰などの姿勢は、脊柱管に負担をかける原因となります。

座るときは背中を伸ばし、椅子の背もたれを活用するなど、正しい姿勢を意識しましょう。

また、重いものを持ち上げる際は腰ではなく膝を使うことが望ましいです。

太り過ぎない

体重が増えると腰に過剰な負荷がかかり、脊柱管が圧迫されやすくなります。

適正体重を維持するためには、バランスの取れた食事と適度な運動が欠かせません。

肥満は炎症を引き起こすリスクもあるため、食事管理で内臓脂肪を減らすことも必要です。

体を冷やさず血行をよくする

冷えは血流を悪化させ、筋肉や神経の緊張を招きます。

腰や下半身を冷やさないように保温に努め、入浴で体を温める習慣を取り入れましょう。

また、血行促進には軽いマッサージや寝る前のストレッチなども良いですね。

利き手・足以外を意識して使う

普段から利き手や利き足ばかりを使うと、体の片側に偏った負担がかかり、骨格の歪みにつながります。

意識的に反対側の手や足を使うことで、筋肉のバランスを整え、負担を分散させることができます。

日常生活の中で、利き足じゃない方から歩き出す、バッグを持つ手を変えるなどの工夫を取り入れましょう。

これらを意識して生活することで、脊柱管狭窄症のリスクを減らし、健康な背骨を保つことができます。

50歳を過ぎたら脊柱管狭窄症予防を意識して健康寿命をのばそう

50歳を過ぎると、加齢に伴うさまざまな変化が訪れます。

  • エレベーターを使わず、階段を使う。
  • シャワーだけでなく、湯船に浸かって温まる。
  • 日頃から体重計にのり適正体重を維持する。

このような、些細なことからで良いのです。
脊柱管狭窄症の予防を意識して日々の生活を過ごすことが、数年・十数年後に大きな差となってあらわれます。

また、今「しびれ」「痛み」がある、たまに感じるという方はできるだけ早く専門医へ相談してください。

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