【未来のパパママとその家族へ】プレコンセプションケアで妊活準備

【未来のパパママとその家族へ】プレコンセプションケアで妊活準備

あなたはご自分の体のことを、どのくらい詳しく知っていますか?

 

  • BMI(体格指数)はいくつですか?
  • ワクチンの接種歴は?
  • 生理周期は何日ですか?
  • 虫歯はありますか?

 

恥ずかしながら、筆者は上記の質問全て、正確に答えられませんでした。

けれど過去に、自分の体について真剣に向き合った時期があります。

それは妊活をしていた時期です。

妊娠を望むカップルが妊活を始めるときに、まず向き合うのが自分の健康や体のことだと思います。

妊活を開始して初めてホルモンの乱れや健康不安などリスク要因が明らかになるケースも珍しくありません。

けれど、妊娠・出産には年齢的なタイムリミットがあるのも事実…。

ホルモンバランスを整えたり、病気の治療をするのには時間がかかります。

若いときから健康的な生活を送り、スムーズに妊活をスタート出来れば妊娠力も違うと思いませんか?

近年、将来的に妊娠・出産を望むカップルや家族に向けたプレコンセプションケアという新しいヘルスケア概念が推奨されています。

これから赤ちゃんを望む女性やカップルはもちろん、その周りの家族にも大切なプレコンセプションケアについてお伝えします。

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プレコンセプションケアとは何か?

プレ(Pre)は「〜の前の」、 コンセプション(Conception)とは「妊娠・受胎」、
プレコンセプションケア(Preconception care)とは「妊娠前の健康管理」という意味になります。

プレコンセプションケアは、将来の妊娠・出産を考える女性やカップルが取り組む健康管理のことです。

アメリカから世界へ広がったヘルスケア

プレコンセプションケア(Preconception care)は、2006年に米国疾病管理予防センター(CDC)の政策としてスタートしました。
その後、WHO(世界保健機関)が「妊娠前のカップルに医学的・行動学的・社会的な保健介入を行うこと」と提唱し、国際的に取組が推奨されるようになりました。

日本では2015年に国立成育医療研究センター内に「プレコンセプションケアセンター」が開設されました。

プレコンセプションケアの目的

妊娠・出産に関する健康課題や状況は、国によって異なります。
各国の状況に合わせたプレコンセプションケアの目的が定められており、日本では以下の3つを目的としてします。

 

プレコンセプションケアは妊活中の女性だけでなく、将来こどもを授かりたいと考えているカップルや家族に知ってほしいヘルスケアです。

近年では自治体や企業がプレコンセプションケアの大切さに着目し、啓発活動に取り組んでいます。

プレコンセプションケアは妊活に大切

「妊娠前の健康管理」として、妊娠・出産を望む女性やカップルにプレコンセプションケアを広める必要性があります。
なぜなら、妊娠や出産のチャンスを増やすだけでなくリスク要因を減らすことが出来るからです。

ハイリスク妊娠を減らす

日本では医療の発展により妊婦死亡率や周産期死亡率(妊娠満22週以後の死産と生後1週間以内の死亡を合わせた死亡率)は減りました。

けれど、痩せや肥満・喫煙・持病・高齢など女性が持つリスク要因が原因とされる先天異常、低出生体重児などは減っていません。

妊娠中のリスクに関しては対策できませんが、体重や年齢・生活習慣や貧血などの持病に関してはプレコンセプションケアで早めに予防することができます。

妊娠2ヶ月ごろの初期に、胎児の心臓や神経管・手や足など体の主な器官の形が作られ始めます。

妊娠に気付いてから、ケアを始めるのでは遅いのです。

不妊リスクを減らす

「生理不順」や「生理痛」など、月経に関する知識を持ち必要なケアを行うのに、

早ければ早いほど将来的な不妊リスクを減らせます。

赤ちゃんが欲しいと思い、産婦人科を受診して初めに聞かれるのが月経周期です。

プレコンセプションケアで自身の月経周期はもちろん、基礎体温からの排卵サイクルを知っておくと妊活を始める際もスムーズでしょう。

うらを返せば、月経サイクルの乱れは体質やストレス状況などの様々な要因があるので、すぐに整えるのは難しい場合があります。

やはり、プレコンセプションケアとして自身のサイクルや体質を知っておくことが妊娠を望むうえで大切です。

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体にいいことをするだけ!プレコンセプションケアとは?

プレコンセプションケアは特別なケアをするわけではなく、一般的に「体にいい」といわれている生活を心掛けることが大切です。

適正体重をキープ

近年、若い女性の「痩せすぎ」が増えています。

18歳〜49歳の女性の適正体重のBMI値は18.5~24.9です。

BMI値が18.5未満は痩せすぎになり、低出生体重児などの要になり、肥満は妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群などにつながるリスクになります。

妊娠前に適正体重を保つことが、赤ちゃん・母体ともにリスクを減らすことになります。

また、肥満型の男性の精子は、数・濃度・運動性が低く奇形率が多いと明らかになっています。
適正な体重になることで、精子の質が改善することも分かっています。

将来的に妊娠を望む男女ともに、適正体重のキープする意識が重要です。

バランスのとれた食事

現代の食事は便利になった分、炭水化物が多く「隠れ栄養失調」状態の人も少なくありません。

とくに若い女性は、タンパク質・カルシウム・食物繊維などが不足しがちで「低栄養」の傾向があります。

満腹感だけを優先せずに、栄養バランスの良い食事を心がけることが毎日の積み重ねで大切なのです。

また、胎児の成長に不可欠な葉酸も意識して摂る必要があります。
葉酸はブロッコリーやほうれん草・納豆に多くに含まれるビタミンです。

日本産婦人科学会では妊娠前からの葉酸サプリメントの服用を推奨しているので、サプリメントも有効に活用するのもオススメです。

運動習慣

1週間あたりの運動は150分が目安です。

運動不足は、筋力低下や食欲不信・睡眠障害なども起こします。

1日10分歩くなど、ちょっとした運動習慣が必要です。

睡眠をとり、ストレスを溜めない

ストレスや疲労は男女ともホルモンバランス崩し、生殖機能の低下を招きます。

十分な睡眠をとり、好きなことや趣味などでストレス発散方法を持ち、心身の疲れを溜め込まないようにしましょう。

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喫煙・受動喫煙をさける

喫煙は男女と共に不妊のリスクを高めます。

不妊症のリスクだけでなく、流産や早産・低出生体重児などのリスクも…!

また、受動喫煙も健康に影響を及ぼすのでパートナーと共に禁煙することがベストです。

定期検診や病気のチェック

健康診断や歯科検診・感染病のワクチン接種歴などの確認も必要です。
以下の項目は、将来妊娠を望むときに特に重要な項目です。

  • 子宮頸がん検診
  • 歯科検診
  • 風疹の予防接種
  • HIV(AIDS)や性感染症の検査

妊娠中は口腔環境が悪化するので、日頃から虫歯などのケアを行いましょう。

また、性感染症を放置することで不妊を引き起こすこともあります。

プレコンセプションケアは、自身の健康を把握することでも必要な意識なのです。

プレコンセプションケア・チェックシートで確認を!

国立成育医療研究センターが作成したプレコンセプションケア・チェックシートで健康チェックが出来ます。

どのくらい健康管理ができているか目安になるので、ご活用ください。

プレコンセプションケアは全世代・男女ともに知ってほしい

プレコンセプションケアの目的として、若い世代の男女の健康を促進し妊娠や出産のチャンスを増やすことですが、年代や性別に関係なく、全ての人に知って欲しいヘルスケアです。

その中でも、これから妊娠・出産を迎える若年層の健康を見守り導く立場として、親世代こそ知って欲しいです。

生活習慣をつくる親世代にこそ重要

生活習慣や体づくりは、育った環境に大きく左右されます。

食事もはもちろんのこと、睡眠から運動習慣まで親の影響は偉大です。

例えば、食卓に野菜が並ぶことなく育った女性が、赤ちゃんが欲しいと思った時に緑黄色野菜を食べ葉酸を摂取できるでしょうか?

毎日、シャワーのみで育った方が冷え性改善のために湯船に長く浸かれるでしょうか?

大人になってから、染み付いた生活習慣を変えるは想像以上に大変です…。

 

けれど、生活のクセの積み重ねで体は出来上がり、妊娠力も左右されます。

将来お子さんが妊娠を望んだときに、身体的なリスク負担を最大限減らすため、親としてフォローできることが幼少期の頃からたくさんあります。

健康的な生活習慣が身につくよう親世代自らがプレコンセプションケアを実践して、次世代へ伝える意識が大切だと筆者は考えます。

「健康管理」は質の高い生活に必要

妊娠や出産を望む若い男女のためのプレコンセプションケアですが、全世代の男女ともに大事なヘルスケア概念です。

「人生100年時代」となり、健康が生活の質を左右します。

ITの発達、とくにスマホが普及してからの数十年で生活習慣は大きく変化しました。

便利になった反面、運動機能の低下や偏食・メンタル不調など健康に関して課題もあります。

不妊リスク因子は男女ともに同じくらいと医学的に明らかになってきました。

性別や年齢に関係なく、健康知識を身につけて自衛していくことが必要な時代になったのかもしれません。

まとめ

プレコンセプションケアとは、妊娠前の健康管理新しいヘルスケアの概念として注目されていますが、行うことは至ってシンプルです。

  • 適正体重をキープ
  • バランスのとれた食事
  • 運動習慣
  • 睡眠をとり、ストレスを溜めない
  • 喫煙・受動喫煙をさける
  • 定期検診や病気のチェック

昔から言われてる「体にいいこと」をするだけなんです。

プレコンセプションケアを意識することで、妊活をスムーズに始められると共に質の高い健康的な生活を送れます。

健康は、大事な人の幸せと切り離せません。

未来で出会うかもしれない新しいいのちの為、ご自分や家族の健康を意識することがプレコンセプションケアなのです。

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